2011年08月27日

新しい生命の誕生

昨日8月26日夕刻、わが一家に子供ができました。陣痛開始から概ね16時間にも及ぶ長きに亘る苦しみを乗り越え、妻が息子を産みました。産道を通るときに、子が通常とは逆方向へ回転してしまうという難産の一種であり、通常分娩よりはるかに強い痛みを伴うものだったらしく、もう少しのところで帝王切開に切り替わるところでした。

妻の頑張りと、助産師さんたちの懸命の努力で、陣痛促進剤の投与だけで、お腹を切ることなく出産してくれました。生命に替わるものはないため、無理となれば、すぐにでも手術に切り替える用意をしながらのお産でした。夜中2時ごろからの16時間は、痛みを我慢するにはとても長く、周りに就く助産師さんも、そして立ち会う僕自身も、かなりの疲れがありましたが、プロの仕事を垣間見、生命の強さを感じる貴重な時間でした。

赤ちゃんも、大変でした。長期にわたるお産のため、出てくる時にはかなり心拍数が弱っていて、危なかったと医師が後ほど言っておられました。でも、小さな弱々しい声をあげて、泣き始めました。妻も子供も両方元気です。

出産とは、こんなにも大変なものだとは知りませんでした。しかし、この機会を逃すことなく、立ち会うことができたのはとても良かった。あんな瞬間に、この世の全ての男性が立ち会うことができたのなら、この世の中は今よりもっと優しい人達でいっぱいになると思いました。

息子の名は、丈太郎(じょうたろう)。「丈夫で太き男たれ」という願いを込めて。そして、日本以外の土地では、Joeという覚えてもらいやすい愛称を持つことになるでしょう。

僕の仕事は、海外を動き回る仕事、彼が今後どのように生きていくのかは、我が家の今後の楽しみとなることでしょう。まぁ、とにかく二人が無事でよかった。

出てきた瞬間
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ちょっと落ち着きました(3時間後)。このあとすぐ寝ちゃいました。疲れたんだろうね。
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ラベル:出産 誕生 陣痛 難産
posted by atsushi at 10:43| Comment(0) | 家族について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月17日

帰国して パソコンに向かいて 思うままに

ダルフールのニアラから、3本の飛行機をあまり待ち時間なく、乗り継いで帰国してきました。飛行機に乗っていた時間は、3+3.5+11だから、合計17.5時間の移動時間です。もちろん、少しは待ち時間もあったため、やっぱり総行程で、丸一日24時間くらいになっていると思います。

大阪は暑い。この暑さは、湿度からくるものですね。気温は、ダルフールのほうが10度ほど高いのに、不快度はこちら日本のほうが高い。変に時差ボケがあるものだから、今朝は5時から目がパッチリ。数日のうちには日本時間に身体が追い付いてくるのですが、こういう時を利用して、朝からいろいろ精力的に動かなくてはいけません。

ということで、まずは、ブログの更新。まぁ、あまり目新しいニュースはないのですが。

仕事は、以前一緒に仕事をしていた南アフリカ人に任せてきました。彼は、前も言った通りコンサルタント契約の職員で、現在の拠点は、南スーダンのマラカルというところで勤務しています。しかし、ニアラで僕がいなくなるということで、ハルツームから指令を受けてわざわざ来てくれました。こういうことも、コンサルタント故の事象だと思います。

将棋の駒のように、どんどん動かされます。断る権利はあると思うのですが、なかなか強く出られないのでしょう。もちろん正規職員でも、いろいろ動いている人もいます。しかし、ことUNHASに限っては、正規職員はもっと腰を一か所に落ち着けて、人とモノを動かしているという印象です。そして、その動かされるほうに、コンサルタント職員が含まれている印象です。

そして、彼はこれからの6週間をニアラで過ごし、一旦雇用契約が切れます。BIS (Break in Service)というやつです。これは約1か月あり、無職の状態に陥ります。それから、また新しい雇用契約へと切り替わります。彼の場合、次は、ジェニーナという西ダルフールに転勤となるそうです。なんと落ち着かない、不安定な生き方だろうと思います。

20代前半ならそれでもいい。しかし、40代に入ってきたら、それはもう過酷です。僕のいる組織は、コンサルタントから正規職員になっていくという流れはとても一般的な流れです。もしかすると、JPOより多いのかもしれない。

しかし、このコンサルタントから、正規職員へのルートを日本人が同じように挑戦できるかというと、首をひねってしまう。こんな辺境の地、紛争中の土地で、不確実性の高いこの仕事に我慢が続くのか。特に、男性の場合、もっと確実なものへ移動しようと思うに違いないと思うのです。そんな国連機関ゆえの就職事情が、日本人職員増加の足かせになっていることは、まぎれもない事実です。発展途上国出身の職員のように、泥臭く、しがみつくほどの根性で、挑戦してくれば、正規の道につながると思うのですが、それは日本人にはできないのではないかとつくづく思います。もちろん発展途上国の人は、そんなコンサルタントの仕事でも、母国で働くより、給料が何倍もいいから、これは必然といえるでしょう。

もう一つの理由に学歴と職歴があります。日本人の場合、コンサルタントから、正規に残れるような経歴を持っていそうな人は、日本でしっかりと仕事をして収入をすでに得ている人です。それをなげうって、挑戦するというのは、相当な心構えが必要です。わざわざ、そんなことをしなくても、十分な収入と、家族や友人に囲まれた落ち着いた生活が手に入るのです。

さらに、それが男性であれば、実家の両親のことも気になります。もし、体を壊したら、どうやって駆けつけることができるのか。西洋のように、個人主義が台頭してきたといえど、やはりそこには東洋の伝統が流れています。団体主義、家族主義の和の精神です。先祖を思い、盆には墓参りをするような文化を持つ、私たちのような人種が、遠く離れた帰属意識も愛着もないアフリカのような土地で暮らしていくことへの難しさ。

当然人類全体への奉仕といえば、格好良く映るかもしれませんが、現実は、もっと地味にいろんな問題が存在するものです。

僕は、それでも国際機関に日本人が増えてほしいと思っています。国際社会における日本人のプレゼンスを高め、そこから母国に知的財産や、さらなる発展への機会を誘導できると考えているからです。まぁ、だからと言って、JPOという制度に、反省を加えることなく予算を重ねるのは、愚策というものですが。

僕の国連職員としてのゴールはどこにあるのか、考える日々が続きます。なんだか、見えそうで、見えない。とりあえず、あと1週間ほどで、我が家にも第1子が誕生します。人の親として、また学ぶことも多々あることでしょう。

そうそう、国連職員の人には、独身が多い。これも、問題だと思います。離婚率が高いのです。これもいただけないなぁ。人生仕事がすべてじゃない。しっかりと公私両立できての、豊かな人生だと思う今日この頃です。

さて、帰国しての恒例行儀、散髪に出かけましょう。
posted by atsushi at 11:10| Comment(2) | 国連職員としての日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

スタッフの昇進

現地職員。僕の所属するWFPには、多くの現地職員が働いています。ここは、スーダンなので、当然彼らはスーダン人です。現地職員と、国際職員の割合はどれくらいでしょうか。ここ、ニアラ事務所を見てみると、20対1くらいの割合でしょうか。

彼らにも、彼らの中で階級が存在します。国連といっても、それは官僚組織であることに変わりなく、同じ日本の公務員制度と同様、階級と役職がそこには存在するのです。階級が上がれば、それに見合った役職があり、ある役職には、それに対応した階級の職員が就くことになっています。

僕には、アシスタントが4人います。その内訳は、男性2名、女性2名です。彼らの階級は、G-5とよばれる階級で、業務の中核を担っています。その下には、現在のところ、G-1という階級で物を運ぶ職員、掃除をする職員、ドライバー等が存在します。僕は、そんな彼らの上司ということになり、指示を出し、業務を委任しながら、日々の航空業務を取り仕切っています。

そうそう、忘れてはいけないのが、航空業務を実際に行うパイロット達です。彼ら航空会社の人達は、およそ10人、僕の指揮の下、活動しています。まぁ、彼らは直接WFPに雇われている職員ではないため、人事上の権限はありません。

さて、このような状況ですが、現在のアシスタントの中で、G-6に昇進させようという話が挙がっています。当然、階級が上がるのですから、役職名もより上級の名前に変わります。今までの名前の前に、シニアと付き、Senior Air Movement Assistant となります。ちょっと、エラそうですよね。

先日、筆記試験を実施しました。公募は、国連上の公平さを図るための決まりであるため、僕のアシスタント以外からの応募も受け付け、合計10名が、その筆記試験を受けました。筆記試験の内容は、実にニッチな所を突くため、この業界に働いていないと分からないことばかりを問う問題です。当然、結果は火を見るよりも明らかな結果が表れます。

その次は、面接です。面接では、さらに的を絞ったニアラで勤務していないと分からないことを尋ねました。こういうと、公平さの欠片もないじゃないか、と。まぁ、本当に外部から人が入ってしまうと、現在の職員の誰かをクビにしないといけないので、必然と言えるのではないでしょうか。

おっと、あんまりこういうことを書くと、最近、いろんな方にこのブログが読まれていて、あんまり書かないでとご指摘を受けそうで、ちょっと気を使うのですよね。でも、オブラートに包みながら書くと、とても面白味のないものに変わってしまって、自分のモチベーションも下がってしまいます。こんな情報も、国連等の国際社会を夢見ている人には、貴重なものだと僕は思います。昔の僕がそうでしたから。

話は戻って、その面接。僕のスタッフは、普段僕と話すときはずっと冗談を言って笑っているのに、とても緊張していました。普段は、ベラベラ話す女の子も、自分をよく見せようと空回りしているのか、とても上がっていてちぐはぐなことを言っていました。偉そうに生意気な男の子も、恐縮して、うまく話せていませんでした。

世の中、古今東西、いろんな人がこの世界には住んでいますが、同じようなものです。上司には、よく見られたいし、認められたい。褒められたいし、チャンスが欲しい。でも、緊張するし、空回りするし、みんな同じです。

そんな彼らの頑張りを見ていると、みんな昇進させてあげたいと思います。

部下は、可愛いものです。中には、僕より年上の職員もいますが、こと仕事に限っては、きっちりとした上下関係があり、それが、上司としての部下を思う気持ちになり、可愛く思い、大切に感じるものです。そして、そんな思いは、部下にもしっかり伝わっていて、向こうも慕ってくれます。

テストをして、面接をして、2段階のふるいに掛けたとしても、上司である僕の評価が大きな影響を与えるものです。世の中そんなものですよね。

上司にとって、欲しい部下とは、チームを作り上げられる協調性のある人です。まぁ、これは僕の意見ですが、どれほど能力が高くとも、人との関係をうまく作り上げられないのであれば、その存在がマイナスになり、他の職員にも悪影響を与えてしまいます。

ということで、悩んだ結果、ある一人の職員に決めました。人事として反映されるまで、1か月はかかると思われます。その職員を思うと、嬉しく思う半面、選ばれなかった職員の落胆も想像できます。みんな、頑張っていたからなぁ。さて、どうやって励まそうか、考えとかなくては。
posted by atsushi at 04:17| Comment(0) | 国連職員としての日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

方向転換

つい2日前にブログで更新した、僕の今後の転勤先についてですが、いろんな人と話した結果スーダンのハルツームに行くことはやめにしました。

当初は、別にハルツームでも構わないし、誰かが既にしている根回しを壊しては、敵を作ってしまって、後々面倒だと思っていました。しかし、自分の気持ちの中で、どうもスッキリとしないところがあって、今ここニアラにいる上司に相談しました。すると、「ローマのトップがお前を推しているのなら、その中間層を無視してポストを獲得しにいかないとダメだ、今すぐローマに電話しろ」と、お叱りを受けました。

彼曰く、本部ローマは人と出会う場である。そこで人脈を築けば、後は、どこにでも移っていける。将来的に違う部署に行きたくても、人脈がそれを支援してくれる、と。

ということで、たった1日2日で、気分はすっかりローマとなりました。そして既に、それ相応の場所に鈴はつけておきました。ある説得要素を考えだしたので、それを材料に交渉しています。なんか、こういうこと好きなのですよねぇ、将棋を打っているみたいで。自分の人生を人生ゲームのボードに見立てて、俯瞰しているのでしょうか。

しかし、改めて、僕も人の良い日本人なのだなぁと感心しました。なんか、簡単に返事しちゃいましたから。

こういう組織です、政治的圧力や不公平はあるでしょう、でも、だから面白いというところもあります。この組織の政治的ダイナミックな部分を思う存分に楽しまなければいけませんね。空気をこちら側に持ってきて、自分がリードするくらいでないと。

さて、ここで大昔に学んだ「孫子の兵法」から、リーダーシップに関する言葉を二つばかり、自分への活を込めて記してみたいと思います。

「将 敵を料(はか)ること能(あた)わず」

敵について知ることができない将軍は無能である。

「彼を知りて己れを知れば百戦して殆(あや)うからず」

敵と自分についてよく知れば、百戦しても負けない。

うむむ、やる気が湧いてきました。
posted by atsushi at 05:27| Comment(2) | 方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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