2011年11月30日

本部の仕事というもの

赴任してから丸2週間が経過。分からないことはまだまだたくさんあるが、全くの無知ではない。フィールドと言われる地域事務所と、本部ローマの仕事内容はもちろん同じわけではないが、書類は見たことがあるものがほとんどだ。ただ、出来上がったものを手渡されるのがフィールドであり、それを精査してフィールドに渡せる状態を作り上げるのが本部である。

物事が動いているのは、ことが実際に行われるフィールド事務所。そういう点では、書類の動きを追っているだけが本部であるが、ここにいると世界中のオペレーションが見渡される。

エチオピアからメールが来て、業者契約についての話があったかと思うと、アフガニスタンの緊急支援の話をしている。そうかと思うと、ヨルダンにおける訓練企画について話し合う。WFPが介入している国や地域だけでなく、ヨーロッパの政治経済、国連事務局のあるニューヨークについての話も時折出てくる。とにかく、動きは自分の目では見えないが、情報はとても多く入ってくる。

そして、たくさんの人に会う。過去の業務で一緒になった人との再会は当然あり、そして友人の友人ということで、また新しい友人ができる。それぞれがそれぞれの仕事を抱え日々勤務しているなかで、課や部局を超えての連帯業務は、長の職に就いているもの以外は極めて少ないのが現実。ただ、それがそのまま壁になっているわけではない。ちょっとした出会いで、どんどん交流は開けていくのもまた現実だ。

2週間しかみていないから、まだ何とも言えないが、ここでやっている仕事はそれほど難しいわけではない。一般常識で解ける問題がほとんど。航空会社やブローカーを相手にして、オペレーションに見合う入札を行う。そこから一つを絞り、予算の執行をかけ、業務の運営計画を地域事務所と共有する。実際の運営はフィールドがやるのだから、こちらは法的に問題が出てこないように書類を固めていく。そういった一連の書類について、記憶しなくてはいけないことがあるがそれは手順であって、創造性や独創性を求めるものではない。

とにかく仕事はボチボチとやっていける感じがする。職員は、カフェでエスプレッソやカプチーノを飲みながら、ワイワイと語らい、楽しそうにしている。ほんとに仕事をやっているのだろうかと感じるが、同じ人がずっといるわけではないはずだから、それぞれ息抜きしながらやっているのだろう。自分のリズムをつかめたら、もっとここでの時間を有意義なものにできる気がする。

仕事だけではないということが分かる。というか、仕事以外のことが仕事に影響を及ぼす気がする。さて、情報戦の始まりである。将棋の駒は並べられたのだ。何をどう動かし、どれを突いていくかは、ここで得られる情報次第。
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2011年11月28日

新生活開始 イタリア ローマ!!

新しい生活というのは、刺激があり目新しい発見があるものの、結構疲れるのが現実。ダルフールにおける生活環境は、保安上厳しいものだったが、慣れと2年間の少しずつの努力で自分の生活はかなり快適なものになっていた。ローマに来て、10日間が経過するが、ようやくこの週末で初期の疲れが癒えてきた感じがする。とにかくこの最初の10日間はいろんな問題に直面して、物事がうまく運ばないことがたくさんあった。

言語の出来ない環境で、生活を作り上げていくのは疲れる作業だ。そして、ここイタリアは、評判通り先進国であって先進国でないようなところだ。もちろん、ローマしか見ていないからここで全てを決めつけるわけにはいかないが、首都ローマがこれだから、そんなに間違ってはいないのでは、と思う。とにかく、すべての作業にとても時間がかかる。いろんな物事がうまくまとまっていない。交通機関、小売店、政府機関、人々の対応、全てにおいて効率が悪い。まるでアフリカのとある国のよう。その割には、価格設定が先進国基準だから、受けるサービスに照らし合わせると高価だと言わざるを得ない。

ここで知り合った知人からは、うまくいかないことが多々あるから、そんなときは、ワインを飲んでチーズでも食べながら時間を待つしかないですよ、と助言を受けている。その助言通り、むかついたときは焦らずのんびりワインと生ハムを楽しんでいる。そして、今週末はそんな時のために酒のストックを増やしておくことにした。

ローマは、WFPの本部である。ものすごく多くの職員が勤務している。そのほとんどが白人であり、スーダンの時とは雰囲気がかなり異なる。スーダンでは、白人は少数であり、彼らは必ず国際職員かつオフィサーであったため、ここに来て直ぐのころは、多くの上級職員が存在する印象を受けた。しかし分かってくるにつれ、その多くは地元イタリア人いわゆる一般職のアシスタントや、コンサルタントだということに気づく。ここではさらに数多くのJPOがいて、それ以外にも短期雇用(ショートターム)の国際職員が存在するため、やはり正規の国際職員はとても限られているということに気づいてくる。

ここ本部の特徴は、そういった職員の身分が明確に表示されることだ。区別がきっちりと存在し、それぞれに対応した権利が付与されている。何かが使えたり、使えなかったり、そんな色分けがなされている。

まぁ、仕事のことは今後ゆっくりと書いていくとして、まずは生活を落ち着かせることが先決である。とりあえず必要なものは一通り買い揃え、今週木曜にやって来る家族の受け入れ体制はできたと思う。ダルフールから直で来ているため、疲労がたまっている。それでも、家族が合流するのは楽しみだ。妻や息子の顔を見れば、疲れなど飛んでしまうのだろう。フィールド勤務の多いWFPだが、ここローマの良さは何と言っても、家族で暮らせることだな。
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2011年11月13日

ダルフール最後の夜

今晩で2年間のダルフール生活を終える。振り返るとあっという間だった。どんなことにも、始まりがあれば終わりがある。終わりの続きには、新しい始まりがある。同僚、友人、いろんな人との出会いがあった。そんな人達との別れはやはり寂しい。

思い出は、出会う人によって作られるのだと思う。美しい景色、美味しい食べ物、心地よい気候、いろいろと人の記憶に働きかける環境は確かにある。しかし、人との出会いに置き換えられるものはない。出会った人と楽しい時を過ごすことができれば、その土地の思い出はポジティブであり、その逆はたとえそれ以外の要素である景色や食事がよくとも、良き思い出として記憶に残らない。

昨日、数人のスタッフは欠けているものの、空港にあるプレハブ事務所前で記念撮影をした。空港は軍の管理下だから、写真は厳禁だが、最後の思い出の記念撮影だからと連絡し許可をもらった。それなりににこやかな写真が撮れたので、とても満足している。これがその写真。
IMG_0384.JPG

プレハブ事務所にはたくさんの思い出がある。事務所前に作った小さな花壇、今ではしっかりと花を咲かすようになった。スタッフも毎日気にかけて水をあげているようだ。自分がした仕事が、自分がいなくなった後でもどれだけ継続されるのかはわからない。彼らのやり方と元々合わないものは、だんだんと廃れていって、元々の形に戻っていくだろうし、私のやり方を気に入ってそのまま残るものもあるだろう。

またこの土地に来る機会があればいいなぁと思う。その時には争い事は終わっていて、みんなが平和に暮らしていることを祈る。もっと自由に人が行き来できて、賑やかな街になっていてほしいと思う。

明日は、最後のお別れメールをみんなに書いて、事務所に顔を出しお別れを言おう。
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2011年11月08日

家族で集うお休み

数日前から、イド・アル・アドハーとうイスラム教の祝日になっている。この始まりがいつで、終わりがいつなのか今一つ明確ではないが、私の仕事も休みで政府機関も休んでいる。一説には10日間といわれているが、それほどの長期間皆が休んでいるわけではない。この休みは犠牲祭とも呼ばれており、モスクにお祈りに出かけ、その後みんなで羊を食べるのである。去年の今頃はブログに書いたように、あるスタッフの家に呼ばれ、共に羊をご馳走になったが、今年はお呼びがかからなかったため、ゲストハウスでのんびりとした数日を過ごしている。

日本のお正月、西欧諸国のクリスマス的要素があって、皆家族でこの休みを過ごす。休みに入る前の数日間は、空港は驚くほどの込み具合で、人類の大移動が行われる。それぞれが家族へのお土産を手にし、なんとか自分の座席を確保して、ハルツームへと流れていくのである。地元スーダン人にとっても、ダルフールへは仕事で来ている人も多い。そんな人たちがたくさんいるから、飛行機も満席状態が数日続いた。UNHASに限らず、民間機もかなりの混乱模様だった。

予約忘れの人や、満席のため席を確保できなかった人から、なんとかならないかとひっきりなしに電話が鳴る。面倒だなぁと思いながら、どこかで羨ましいなぁと感じるところがあった。休日は、人をワクワクさせる。楽しみにしている行事があって、会いたい人がそこにいればなおさらワクワクする。

交通機関の仕事は、人や物をA地点からB地点へただ運ぶという極めて単純な仕事であるけど、これがいろんな物事を成すうえでの基礎なる部分だ。どんな高尚な仕事であっても、必要なものや人が必要な時にそこに存在しなければならない。それを支援している航空運航を含めた交通・物流の仕事は慣れれば当たり前になってくるけど、その重要性は今後もなんら変わることはない。

自分でいうのもなんだが、結構面白い仕事をしているなぁと思う。航空系の仕事はやや特殊だけど、基本的には常識の範疇でやっている仕事だ。科学者のような頭脳は必要とせず、合理的思考を持ち合わせていれば、誰でもやれる仕事。それを、こんなアフリカの砂漠地帯、紛争地であるダルフールでやれているというのは、我ながら貴重な体験だと思う。

飛行機に乗る前の皆の顔は、とても幸せそうだった。仕事から解放され、家族とともにイベントを楽しむ。地元スタッフの中には、仕事の都合上、どうしても家族のもとに行けない者もいるのだが、友人なんかに呼ばれてそれなりに楽しんでいることだろう。私の休日は、映画鑑賞、読書、料理という地味なものだが、みんなが楽しそうにしている平和な時間は、見ているだけでも嬉しくなる。
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2011年11月04日

イタリア事情

さて、ニアラの滞在も残り10日。ローマへの転勤が決まってから、いろんな準備を進めてきた。仕事上の人事手続を含む総務系の準備から、私個人の渡航準備、かなり多岐にわたる調査と調整がある。というのも、国連機関における転勤は、国境を跨ぎ国や地域が変わることが一般的であり、国内の移動とは比較にならないほど考えることが多いためだ。

以前の職場では、勤務期間7年間のうち5回転勤をしたが、その準備は1週間もあれば終えてしまい、宅配便をうまく利用することで、カバン一つの身軽さで次の勤務地に移動したものだ。パスポート、滞在許可書、査証手続、税関、などは全く考える必要がなく、今思えば楽だったなぁと感じる。

転勤とは、そういう面倒な身支度を乗り越えなければいけないが、基本的には好きである。なんだか、新しい生活が始まるというワクワク感と、行ったこともない土地に行くという行為が自分の冒険心をくすぐってくれる。それは、国内の移動でも同じだ。幹線道路がそこら中に張り巡らされ、大型ショッピングモールやフランチャイズ店が同じように並んでいる地方都市であっても、そこに住む人が違うのだ。そして、その人がその地域を作り、同じようでも同じにはならないのが、国内の転勤の面白いところだった。

話を少し戻して、現在はローマ行きの準備。これがなかなかイタリアというお国柄が分かってきて、時間が迫ってくるにつれ心配になってきている。どうも人の噂によると、イタリアはヨーロッパではなく、北アフリカに属するらしい。ヨーロッパだと思っていると、その政府機関の非効率さ、人々の不合理さに、心底幻滅するそうだ。ん〜、こう言われるとあんまりワクワクしないぞ!

日本人のようにEU加盟国でない国籍の者が、イタリアで働くとなると、それ用のビザが必要で、その事務手続きにはいったいどれほどの時間がかかるのか、参考程度に教えてもらっているものの、全くうまくいっていない。というか、うまくいっていないということが昨日遅くに判明した。

査証申請には、この様な流れがある。ローマのWFP本部から査証申請書類を、ローマにあるイタリア外務省に送ってもらう。そこから今度は、スーダンの首都ハルツームにあるイタリア大使館に連絡をしてもらう。申請者は写真やパスポートを含めた申請一式を最寄り(私の場合はハルツーム)の大使館に送る。そこから1週間ほどでビザが下りるという一連の流れだ。

さて私の場合は、1週間も前に、全ての書類をそろえて、大使館に送ったというのに、今日になってまだイタリアから連絡が来てないから、全く手続きが進んでいないというメールが送られてきた。見た時には目を疑った。

取り急ぎローマにサポートを頼んだが、全く連絡が来ない。ローマの今日って休日だったのだろうか。日本では文化の日だが、ローマも同じであるわけがないのだが…

国連職員が取得することになるビザ(D-mission Visaと呼ばれるもの)は、イタリア国内では取得することができない。そのため取得してからスーダンを出国しなければならない。本当ならば、11月9日が最初の出国予定であった。但し、このビザ取得に時間が予想以上にかかるかもしれないと考え、わざわざ1週間も余裕を見たのである。それが、どうやらそれでも雲行きが怪しくなってきた。

そしてさらに郵便物。日本の家族から、冬用衣類を郵便局のEMSで1箱12キロぐらいのものをローマの事務所に送ってもらった。その受け取りを頼まれてくれた職場の同僚は、郵便局からこのままでは配達できないという通達を受け取ったらしい。私物の衣類に関税がかかるのか、箱が重すぎるのか、まぁなんだかいろんな理由が考えられるらしいが、同僚に郵便局に行ってもらわなくてはいけない。

そしてもう一つ。私が活用している国際的な銀行がイタリアでは取引をやっていないという。世界で一番か二番目に大きい銀行だというのに、EU加盟国であり、先進国であろうイタリアでは営業をやっていないというのである。これは、非常に不便だ。スーダンでは我慢してきたが、次こそはもう少し自由に資産を動かせるようになるものだと勝手に期待していたのに、またいろんな新しい手続きが必要だ。おそらく、イタリアで銀行を開設することになるであろうが、そのためのIDだの余計な事務手続きが必要なのだろうなぁ。

あぁ面倒くさい。

イタリア、とても楽しみにしているが、腹の立つことも頻繁にあるのだろうと予想する。とあれば、別に15日に急いで出国しなくとも、ダラダラこのスーダンに残っていようか…
posted by atsushi at 05:15| Comment(0) | イタリア生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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