2012年03月09日

悲しい事件

1か月近くブログを更新できなかったのは、忙しかったからという単純な理由からではない。引っ越しによる新しい生活の組み立て、新しい職場環境での慣れない作業、いろんな雑務によってこの場から遠ざかっていた。20分もあれば、更新できる日記調のこのブログでさえも、継続させるにはそれなりに意志の力が必要だ。

仕事に関する悩みは、次回のブログ更新に回すとして、今日久しぶりに更新しようと思ったのは、悲しいニュースを人づてに聞いたからだ。

ここローマの前の勤務地、南ダルフール州の州都ニアラで、僕の昔の同僚が2日前に武力集団に誘拐されたということを知ったからだ。朝の通勤時、彼はドライバーと一緒に事務所へ向かう。2日前のその時に、2人ともさらわれた。しかし、現地人であるドライバーは、ニアラの街から1時間ほど車で走ったところ辺りで解放された。そして、イギリス人である彼は、武力集団のアジトと目されているジャブラマラという地域まで連れ去られ、行方が分からなくなってしまった。

詳しく調べていないが、どうやら事件の後ろにはスーダンとイギリス政府との政治的いざこざがあったようなのだが、そんなことに彼はイギリス人だという事実以外は全く関与していない。

彼とは、1年近く仕事を一緒にした仲間だ。宿舎でも隣の部屋だったので、家族構成などのプライベートなこともよく話し合ったとても気の合う仲間だ。ここローマに転勤してきてからも、時々スカイプで連絡を取っていた。そんな彼が、誘拐されたと知って、半ば信じがたく、インターネットで調べたがそのニュースは、多少の間違いは含まれていても、名前や職業などは記されていて確認が取れた。

1年ほど前に僕のスタッフが誘拐された時には、1か月近くも拘留されていた。それでも、生きて帰って来られたので、なによりだが、今回も同様に無事であってほしい。家族は、彼のことを心配していることだろう。娘さんが2人いるのだが、家族のことを考えると、とても胸が痛む。

そして、今ニアラの事務所では、引き渡し交渉の対策本部が作られていることだろう。通常業務そっちのけで、忙しくしているに違いない。誘拐された彼本人、その周りにいる同僚たち、そして彼の家族、それぞれが今後どんどん疲弊していく。

何よりも無事であってほしいし、拘留がなるべく短くあってほしいことを祈る。

フィールド勤務には、こういう危険と隣り合わせなのだ。
posted by atsushi at 05:51| Comment(0) | 国連職員としての日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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